気温マイナス28度上回る程の寒さ。まぶたまでくっつきそうな寒さ。
広さは約1300キロもある、アメリカ大陸より広い世界有数の氷の大地・シベリア。
かつてない試練が、ベアを襲う。
シベリアのステップ地帯は厳しい、冬場の日照時間は約4時間。
世界でも類をみない過酷な土地だ。
今回のベア・サバイバルは極寒の地、シベリア横断鉄道を見つけ脱出するしか手段がないのである。
Contents
サバイバル「実録シベリア 前編」恐怖、命がけで氷の湖に落ちてみるベア・グリルス!
シベリアで道に迷ったら数分で凍死・もしくは餓死の危険もある。
「かなり不安です。僕は寒さが苦手なんです」とベアさん。
何もかもが凍り付く恐怖
高度2100m・最低限の道具を持ち、パラシュートで撮影班と共に降下する。
着地成功!しかしベアさん危険な状態に?!「指の感覚がありません。耳も今にもちぎれそうです!」早めにパラシュートをしまい出発する。
動いていなければ数分で凍死するおそれが、急いで低地を目指して進む。
「数百キロ北のシベリア横断鉄道が唯一の脱出手段です。」
「体が持つでしょうか? この極寒では金属が肌にはりつくのです」
~ベアさんの怖い話~ |
友人が登山中、荷物からハーケンを出し口にくわえ、数分でハーケンは凍りつき口に張り付いた。どうにか剥がしたものの、友人の口は血まみれだった。 |
「ではお見せしましょう」(何でもやってくれるのでありがたい)
ナイフを手にくっつけるベアさん(汗)
「ほらね」というぐらい軽いのり(苦笑)
「無理に取ろうとすると血が吹き出ます。そ~ゆ~時は・・・
(ベア、息子を出し小便を手に掛けてナイフを剥がした)
ステップ地帯から山岳地帯へ
「後、一時間半で陽が落ちる・・・」
「僕より下に雲があります。とにかく下山を急ぎましょう」・・夜は気温が急激に下がりマイナス40度になる事も珍しくない。
(雲より高いところにいるベア)
「周囲は切り立った崖、なんとか道を探しましょう」ベアの現在地は、海抜900m、激しい山岳にはさまれたベア。
「この谷間を下りましょう。かなり急だがいけそうです。雪と岩に注意してすすみましょう」足を滑らせたら、谷底まで一気に転落。
昨年登山家の一隊が岩で足を滑らせ転落死した。
標高が300m下がれば、気温は2度上がる
サバイバルの生死を別けるのは、そのわずかな気温差。
下山はエネルギーを消耗し、食糧は不可欠である。
その為、ベアさんは「モミの木」をナイフで削る=樹皮を食べている「カミキリムシ」が目当てである。
小さな昆虫を発見し、口に運び「まだいるかもしれません(しかしいなかった)」寒冷地では食料確保が生存の鍵。
体温維持に通常よりエネルギーが必要なのである。
「肝心な食料は雪に埋まっています。ベアさん『いつもポケットにキャンディ』(パタゴニアでも、やはりキャンディだった(笑))
付近にはオオカミ・ヒグマが生息し、シェルターを占領している、まともに戦えば、勝ち目はありません。(まぁ確かに・・汗)
「僕もエネルギーが必要です」
(ナレーションでは、甘い物を摂取すると脳に飢餓状態ではなく、ちゃんと栄養を補給したのだと思わせるので効果があると・・・。うーむ・・・)
○洞窟発見するベア!
「野外で夜を過ごすと数時間で凍死します。困った時は洞窟は理想的野営です。」
「この中で火を起せば、熱の反射を利用できます」
寒さと捕食動物から身を守るために枯木で火を起す。
夜を過ごす前に食料を確保しなければ・・・
鹿の解体
ベア「シカの遺体」を発見した・・・!
「ハンターが残したものですが、まだまだ使えます」とっても嬉しそうなベアさん(笑)。。
皮をはぐ・・脚からナイフを入れ体全体を剥いでいく・・・
マイナス28度の寒さに指先が自由に動かない。更に体温が下がれば体が動かなくなり死に至る。
時間との勝負=鹿が氷着く前に皮をはぐ「見て下さい。手袋に凍った血がついてます」
火を起す「このままじゃ続けられないです。凍傷にはなりたくないです。最悪の事態の前に火をおこしましょう。そして体を温めてから鹿解剖です」
【特殊部隊での心得え】
「自分の命を第一に考える事!寒冷地では冷えた体は「死」を意味する。」
体が温まったので「鹿の作業」再会である。
鹿の死体が完全に凍ったら作業は不可能になってしまうのだ。
半分皮をむき終わり、もう反対側も!「なるべく大きな毛皮が必要なのです」とベア。
「難しい極寒作業」
寒さは脳の動きもにぶるので、神経を集中し体を動かす。とはいえ・・体を動かし過ぎるのも危険なのだ、この寒さで汗を大量にかくと命取りに・・・。
鹿の脚は雪の上を歩くのに杖になるので貴重。
鹿の肉は焼いて食べる!
「味は期待できそうです。生き返りました。とても美味しかったです。」
「シベリア産の最上級の鹿の肉です。」
「お店なら最高級品ですよ!」
「ここまでのシベリアの旅は挑戦の連続でした。厳しい寒さや自然環境と戦ってきました。」
「のんびりと一人で過ごすのは、始めてかもしれません。」
「広大な自然に澄んだ星が広がり火も食料もあります、これ以上の贅沢はないでしょう。最高の気分です!」
休憩した所で「鹿の解体」続行する。
「見て下さい。大きな毛皮ができました」
鹿の毛皮ができた。
一晩おいておくと・・・ ベアが目標とするものは?!
ベア流「トボガン」作り
「トボガン」とは?
ハンター達が動物の皮と木を使い獲物を運ぶ・一般的なソリの様なものである。
- 鹿の皮の上に二本の枝を平行に並べる
- 柔らかい枝を輪状に曲げ、しばる。
- 強度を上げる為、パラシュートの紐で補強
- 後は一晩おけば出来上がり。
「上出来です!」ベア満足の出来だった。
残りの「鹿肉」をリュックに詰め、洞窟の中の確認をするベア。
シベリアの夜はマイナス35度まで下がる。わずかに暖かい洞窟が唯一の救いである。
「いよいよ寒さの本番です。捕食動物に襲われない為に、洞窟の中を調べます」
これが本当の「つまみ食い」?!
「蚊は貴重な食料になります。奥にまだ続いています。深い洞窟です。冬のシベリアに蚊などいない思いがちですが、実は温かい洞窟で見つける事ができます。」
(これには正直驚いた、こんな極寒の地で蚊がいるとは・・・)
空を彷徨い、親指と一指し指で、チョコチョコ摘みだすベアさん。
「蚊でも貴重な食料です。」
容赦ない寒さの中、ベアを守るのは「洞窟と火だけ」16時間の辛く長い夜が始まる。
試練2・巨大な氷の湖
夜が明けた。
「今までで一番辛い夜でした。気温マイナス35度です。火が消えなくってよかったです。」
明け方には・・まず動いて体を温めるベアさん。
この辺りは「丘陵地帯」昨夜作った「トボガン」が役に立つ。
腰にロープでつながれた「トボガン」に荷物を載せ、移動するベアさん。
山頂に立つ。
「世界の頂上です!ワオ―――!」と叫ぶ。(歓喜の叫びのベアさん(笑))
下山はドボガンを使う
「トボガン」に乗りスケートボードに乗った子供の様に、滑り降りる。
「さよなら・・トボガン」ベアは置いて出発する。
巨大な湖出現!?どうするベア
目の前に氷の湖が出現。
迂回すれば数日はかかってしまう。乗って割れないか心配するベア=鹿の脚を利用する。
人間の体重に耐えられる氷の暑さは、最低でも8㎝である。鹿の脚で氷を叩き音を確認しつつ、慎重に進むベア。
「新雪が積もっています。氷の厚さが解りません。湖に落ちたら生還できる可能性は低いでしょう」
~ベアさんの怖い話~ |
以前、友人とアイスランドで凍った湖を歩きました。友人が氷の下に落ち、胸を斬り血だらけになりました。 運よく脱出しましたが、それがトラウマとして残っています。 |
「いくら危険といっても想像は難しいでしょう。そこでおおきな穴を開けて実際に僕が入ってみます!」
「脱出方法も紹介しましょう!」
氷湖に入るベアさん
「死因の第1位」
氷の下の氷は凍結寸前。その冷たい氷が命とり。
パニックになり呼吸困難に陥る、血流が止まれば手足が動かなくなり、やがて筋肉の動きが停止し、意識不明に陥る。
- 素足では氷の上に立てないので靴下は履いたまま
- 水の中に入る前に命綱を結ぶ。
- パンツ一丁
「20秒経っても、戻らなかったらロープを引いてくれ。忘れないで!」
最も危険な挑戦が始まる。
「氷の上を歩いた経験はあるが、この気温の中で氷に潜るのは、始めてです。」
「本音を言えば少し怖いです」
一瞬で脈拍が200へ上がり、窒息する感覚を味わうベアさん(それでも丁寧に解説をしてくれるベア!貴方はスゴイです)
過呼吸を起さない様に冷静さを保つ。
「では潜ってみましょう!」
その前に呼吸を整えます。もしこの脈拍の速さで水中に潜れば、体の自由がきかないので・・5秒下さい。
「血流が速まり、心臓が悲鳴を上げています!」
「潜ったら、後戻りはできません。明るい方向を目指します。」
「酸素が奪われます」
粉雪は濡れた体を拭くのに役立つ
氷湖から上がるベアさん
「目が開きませんもう限界です!これ以上耐えられないです」
「湖の危険を肌で感じました。全て感覚を奪われるのです。」
「指も顏も目も開けていられません」
「筋肉が震え始めました。火にあたりましょう!この氷の下はまるで『地獄』です」
- 対処をせずにあと数度、体温が下がっていれば「意識不明」に陥る。
- 冷えた血流が流れ込み、心臓が止まる。
- とにかく指先を動かし続ける事が肝心。
「体についた水が氷始めました。」
「粉雪を体にこすりつけ、水分を吸収してくれるのです」とベアは、パンツ一丁で「ゴシゴシ」する。
「体を乾かしてから服をきます。」
後15分で日没。
30秒で靴下も凍る。
「こんな経験もう~ごめんです!!」
タイガの森でのサバイバル
ベア、ヘリで次のサバイバル「タイガ」へ移動。
タイガとは?
=冷たい密林・迷路の様な森「地元の人」も恐れ踏み込まない場所である。
約150平方キロに広がり、方向感覚もつかめず迷い込めば脱出不可能。
50メートルごとに振り返り、自分の雪の上の足跡を確認する。
「気味が悪い程、静まり帰っています。森全体の時間が止まっているようです。見渡す限りの『雪と森』まず慎重に行動しましょう」
木に登って森全体を把握
パラシュートの紐を使い、木を登っていくベア。
- ブーツにかけて「もやい結び」を作る。
- もう片方のブーツも同じ様にする。
両方のブーツに結んだ紐は留め金の役目をする。「登りやすく、上出来です!」
上方に行くと枝があったので、ブーツの紐を切るベアさん。
「遠くで渓谷を見つけました!」
「道が決まりました!」
『迷い森』と格闘するベア
「特殊部隊の選抜試験でも山岳地帯の長い行軍訓練を行いました。」
<山の教訓>
『迷ったら川を探し、川をたどれば人里にでる』
前進するベアさん。
「ヒマラヤ杉の実が落ちています。リスが食べた様です」
「木の実は究極のサバイバル食です。脂肪や油脂・ビタミンが豊富なのです。しかし実は残っていません。では、リスを掴まえましょう!」
リスを捕獲する方法
- 垂直の木に斜めに枝を置く。
- パラシュートの紐を、丁度リスの頭が通る様に輪を作る
- それを枝に仕掛ける~リスがかかると首つり状態で発見される~
- 成功率をあげる為、もう一つ罠をかける。
「森の全ての生き物は生存の為、戦っています。冬場は特に、リスが狂暴する事があります。」
「犬に襲いかかり、内臓を食べつくしたという話もある程です」
結果)
一つは失敗・もう一つには「リスが首つり状態」(笑)。確保したベアさんだった。
○ベア・クッキング
材料)凍ったリス
「普通なら皮を剥ぎ、丸焼き」だが完璧に凍っている為、計画変更する。
1、皮を剥ぎ、ナイフで肉をそぎ落としあぶる。
「なんとも嬉しい限りです。これまで食べた生き物の中でも最高の味です」ベア絶賛。
2、シベリアの珍味=『リスの脳みそ』生食いにするベアさん「凍ったパテです」
簡単なシェルター作り
雲行きが怪しいので、簡単にできる「シェルター作り」倒れた木を利用して出来る。
火を起し休憩をする。シェルターは20分程度で完成した。
カバの木(天然の焚き付け)防水性が高い為、幹の中は乾いたままである。
最後に
「渓谷の先を見て下さい!あれは『道路か線路』です。行きましょう!走ろう。急ぐんだ!」
貨物列車に向かって(必死に走るベア)
「絶対に捕まえます!」
やったーー!列車にしがみ付いたベアさんだった。
今回の「シベリア編」は本当に、命がけのサバイバルをみせてくれたベアさんだった。
この番組には「賛否両論」とびかい、「やらせ」とも言われているが、「やらせ」でも、ここまで一生懸命に実践してくれる、ベアの姿は本物だ。
なかなかここまで、できる人間はいないと思う。
そういう意味では、この番組は「スゴイ」と思う。
・・でもベアさん列車の屋根に乗りポーズはもともと用意されてあったヘリからの撮影。
(準備は大事だ・・・)
列車がタイミング良く来るのも、テレビ番組的には仕方のない部分だ。
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