火をおこすのがサバイバル状況下でどれほど大変なことか、想像してみてほしい。
マッチもライターもないとき、さぁあなたに火をおこすことがはたして出来るか?
恐らく大半の人は煙すら出せずに、徒労に終わり冬なら凍えてしまうだろう。
だが安心してほしい、人類は太古から火を起こしてきたのだ、同じようにすればいい。
Contents
【火おこしの方法】サバイバルに必要な火おこし基本手順4つと他動画
置かれた環境にもよるが、火をおこす基本的な流れはどれも同じだ。
この基本を知らないと、苦労が水の泡になりかねないので覚えておいてほしい。
大事なことは計画性だ、火をおこすに最適な場所をみつけ、
- 火口(ほくち)、
- 焚き付け、
- 燃料探し、
- 火だねをこしらえる。
この4つをクリアして初めて暖を取るためのたき火や調理用のたき火として利用できる。
地形や天候など、気温、湿度、さまざまな状況下でもこの基本は同じだ。
そして、この基本は火おこしが難しい雨天でも可能なのでぜひマスターして頂きたい。
最初に考えるべき事
「最適な場所を見つける」
自分のシェルターに近い場所をえらぶこと、風や雨や雪の影響がないところを選ぶのは当然ながら、持ち物に引火しないように気をつけなければならない。
気温が低い場合など熱を逃がさない工夫は必要だ。
夜の間中火の監視をしなくてはならないので、薪など手の届く範囲に置いておくことが肝心だ、しかも熱を有効活用できる。
煙でけむたい場合もあるが、虫よけにもなるので我慢しよう。
熱を逃がさないためには、炎の向こう側にも熱を遮る遮蔽物を置くと良い。
そこらに転がっている石や木や何でもいいから壁を作ると熱が反射しそれだけでも暖かくなる。
「材料の種類は3つ」
- 火口(ほくち)
- 焚き付け
- 燃料
材料の特長を覚えておくとよい、火が付きやすいモノは早く燃えて早く消えてしまう。
火が付きにくいモノは、ゆっくり燃焼するので長時間の暖をとりやすい。
しけった木材は煙がよく出る。乾いた木材は完全燃焼に近いので煙も少ない。
着火と火口(ほくち)
「ライター」
当然ながらタバコをたしなむ人は必ずライターの1つや2つは常備しているだろう。
サバイバルを余儀なくされる状況下では、普段いぶしがられる喫煙者は役に立つ存在と化す。
「ガーバー GERBER ベア・グリルス ファイヤースターター」
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ケースについてあるステンレスブレードやナイフの背などでマグネシウム合金をティッシュや枯葉などの燃えやすいものに向かって擦り火花を発生させ引火させることで着火させることができます。
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防水で、もしマグネシウム部分が濡れたとしても乾いた布などで拭き取ればそのまま使用できます。
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ケースにSOS信号が表記されていますので非常の際は付属のホイッスルにてご活用ください。
ライターやマッチの次に非常に頼もしいアイテムだ。が、これを普段から持ち歩く習慣はあまりないかも知れない。
「火口(ほくち)」
まずは自分の持ち物から探す。
ポケットなどにティッシュがあれば最高だ。なくても綿クズくらいはあるかもしれない。
※(新しいテッシュは結構水分を含んでいるので実は燃えにくい)
着ている衣類の一部の糸をほぐしてもいい。
女性ならばタンポンや化粧用具、タンポンは毛羽立たせれば火が付きやすい。
とにかく
火口(ほくち)は少しの火花や熱で点火出来るものでなければならない、基本的に地面など下の方にあるものは湿気っているので出来るだけ上の方に意識を向けること。
枯れた倒木の小枝や鳥の巣などフワフワした繊維質のものを探す、乾いた苔や枯れ草、松葉、椰子やガマなど枯れているものなら点火しやすい。
小枝などの場合は、石などで出来るだけ繊維のように裂き細く細かくする。
植物の先に綿毛のようなものがあれば立派な火口(ほくち)になる、それらを枯れ葉等とくるんでフワフワの丸い形にしソフトボールくらいの大きさにしておく。
森林にはサルノコシカケのようなきのこがある、海綿状の物質は火が付きやすい。
雨などでしけっている場合でも、ポケットに入れておけば体温で乾かすことができる。
あと忘れてはいけないのが、乾燥した動物の糞だ。
着火(火おこし)
長期間のサバイバル状況下においてマッチやライターはいずれ無くなり、もともと我々の祖先が使っていた方法を取らざるを得ないことになる。
そのときに一番効率よく火をおこせる原始的な方法は、摩擦熱だ。
色々な方法があるが、まずは代表的な方法から。
「錐と弓(きりとゆみ)」
錐のように先端を尖らせた棒(火きり棒)と、その先を板(火きり板)に押しあて回転させ摩擦熱で火をおこす。
体感的にはこの方法が一番楽だ。
火きり棒を上から板で押さえつけ回転させる、その時火きり板が動かないように脚でしっかり固定させる。
火きり棒の上部と板の摩擦を出来るだけ減らすようにする。ヤシのみのオイルなどを塗っておくと滑りがよくなる。
弓はたわんでも折れない生木で作る、直径1.5センチ~2センチ長さは1メートル以内。
のこぎりを引くように左右に往復させる、煙が出始めると押さえる力を強め更に回転をかけ濃い煙がもやもやしてきたら一旦手を止め火種を溝から用意していた火口(ほくち)へ入れて、火が出るまである程度の勢いで息を吹きかける。
「その他の火おこし」
両手で錐を回転させる「きりもみ式」などのやり方もあるが、相当な根性と体力と乾燥した良い火口(ほくち)がなければ徒労に終わる可能性が高いので推奨はしない。
無理をしすぎて、手にマメを作るのがおちだろう。マメ程度ならまだいいが・・・皮がむけてそこから化膿しては台無しだ。
「バッテリー」
もし、車がエンコしたような状況であれば配線を使いバッテリーをショートさせながら火花を飛ばす方法もあるが、その前にあなたが落胆したくないのならシガーソケットライターがあるか確認しておこう。
たき火の種類
様々な状況の数だけあると思っていいのだが、基本は地面より上で燃やすということだ地面は水分を含んでおり、燃焼効率が非常に悪い。
石や木を土台として組んで、その上でたき火をすること。
1:「円錐たき火」
中心を空気が流れ上昇気流を作るので
燃焼効率は良く明るさを求める場合には
向いているが、燃料もすぐに尽きてしまう。
2:「塹壕たき火」
深さ30センチ長さ1メートルほどの穴を掘り
そこに破裂する多孔石以外の石を敷き詰め
たパターン。
風が強い場合に向いている、後から消して
埋めた後ここで寝れば、一晩中暖かく眠れる。
体力の回復にもってこいだ。
3:「井桁たき火」
非常に熱が出るので調理にはもってこいだし
炭が出来上がるので重宝する。
寺の護摩焚きに近い。
他に丸太たき火や十字たき火など様々な方法があるがその時その時の状況判断で、工夫してもらいたい。
とくに十字たき火は4本の太い木を十字に組んだものだが、火加減の調節がしやすいのでお勧めだ。
それぞれの木を十字の中から離せば、火力は落ち、くっつければまた元の火力に戻る。
燃料も長持ちするので、やってみてほしい。
その他の様々な火おこし【動画】
空のライター
乾電池
サランラップ
まとめ
我々は日々当たり前のように火を使っているが、自然の材料だけで火をおこすことがいかに大変かを学校などで授業の一環として取りいれれば、自分たちがどれほど恵まれた環境で暮らしているのかが子供達に伝わるだろう。
その火で自分たちで釣った魚や野菜などを焼いて食べる、きっといい想い出になるだろうしスキルも身につく。
そこから普段の「当たり前」が⇒「感謝の心」に変化していくかも知れない。
今バーチャルリアリティ・ゲームが流行っているが、究極のバーチャルリアリティは自然だ。
ぜひチャレンジして成功体験から色んな事を学んで欲しい。
- 火口(ほくち)、
- 焚き付け、
- 燃料探し、
- 火だねをこしらえる。
この4つのポイントさえマスターすればさほど難しくはないはずだ。
夏の子供達のキャンプはチャッカマンは置いておいて、自力の火お越しからやってみてほしい。
ゲームでは決して味わえない世界だ、きっと自信にもつながるだろう。