「日本は93%の無人島で出来ている 事実」
「無人島に行くなら何を持って行く?」
よくある定番の究極質問だが、これはあらかじめ行くと仮定しているレジャーのようなものなので、好みの本でもギターでも好きな物を持って行けば良い。
ただし今回のテーマは思わぬアクシデントでの無人島サバイバルだ、多くの場合舟の難破などによるパターンがほとんどだろう。
救命ボートで脱出し無人島へ漂着したのなら運が良い。
半分おぼれながら命からがら無人島に漂着したのなら持ち物はほぼ0の状態だろう。
この何もないほぼ0の状態でどうやって生き抜くか?
最低限のサバイバル術を覚えておいて損はないはずだ、何故なら日本の93%は無人島なのだから。
※93%の理由だが日本の島の数は、全部で6,852で実は本州も四国も九州も北海道も島なのだ。島国と言われている所以である。いくら北海道や本州が大きいからと言っても大陸ではなくあくまでも島扱いなのだ。大陸とはオーストラリア以上の大きさのものをいう。さて6,852内、人が居住し生活を営んでいるのが430ほどで、なんと残り6,300以上は無人島ということになる。その割合が93%ということである。 |
Contents
【無人島サバイバル】脱出するために抑えておくべき5つのポイント
- 「マインド」
- 「シェルター」
- 「水」
- 「食料」
- 「筏」
この5つのポイントさえクリアしたならば、生還の可能性は格段に上がる。
1:「マインド」
どんなときでも精神を落ち着かせる最も良い方法は、「最悪」を想定しそれに対して覚悟を決めてしまうことだ。
安っぽい希望などは返って足を引っ張ることになりかねない。
だが、決して諦めると言うことでは無いので勘違いしないように。
『人間は覚悟を決めた瞬間から、意外に落ち着いて行動ができるものなのだ。』
例えば「癌告知」、最初は目の前が真っ白になり脚は地面に付いてないような感覚で絶望と虚無感と恐怖や不安で一杯になるが、その内落ち着いて終活などを淡々とこなすようになったりするものだ。
※(私事だが自分の母などを見ていたら、ますますそう思うようになった。ちなみに今も何とか生き抜いている)
覚悟が決まれば冷静に落ち着いて行動ができるようになる。
マインドはなにもサバイバルに限った話ではなく、人生全般の全てに共通するテーマだ。
島の外周を1周してどうやら無人島だと理解した時点で覚悟を決めよう。
2:「シェルター」
シェルターはマイホームと同じで心の支えになる。
最初にやるべきことは周辺の地形などをよく観察し、津波や台風などの影響を避けられそうな場所選びから始める。
洞窟があればそれを利用してもいいし、木の上に枝とツタを使い大型の葉を利用し作ってもいい。とにかく拠点を最初に作ろう。
島の規模にもよるがほとんどの材料は結構揃うものだ、日が暮れる前に浜辺や周辺を探索して空き缶やペットボトル、ビニール袋、紐など何でもいいから集めよう。
透明のペットボトルと水で火をおこすことも可能なのだ。
太陽が照っていればのはなしだが・・・。
<ナイフ>
普通ナイフなんて持ち歩かないし、無人島で便利なナイフなど落ちてるわけもなく蔓一本切るのも途方にくれ、蔓の強さに驚くだろう。
まずは周辺の割れそうな岩や石を探して、石を岩に叩きつけたりしながら鋭利な割れ方を目指す。
岩の種類によっては、ナイフのような割れ方をする岩もある。
(出典:Amazonビデオプライム、キャスト・アウェイ)
<ちょっとティータイム> 無人島生活の映画などを観ておくことをお勧めする。 映画「キャスト・アウェイ」
映画だからと侮ってはいけない、参考になる部分は沢山ある。 |
<害虫対策>
蟻やダニや蛇などから身体を守りたければ、地面から少しでも浮かせることだ。
それさえ出来たら精神的に楽になれ十分な睡眠も取れるだろう。
あと、鉄砲水のような時にも流されずにすむ。
※(文明の利器「テントサイル フライト」を使えば快適空間に早変わりなのだが・・・。)
(出典:http://www.tentsile-japan.com/item/flite-tent)
自然物だけでここまで作るのは難しいが、木の枝分かれした部分などを上手く使えば木の上に自然物だけでベッド空間を作る事も可能だ。
とにかく地べたで寝ることだけは避けたい。
<たき火>
灰は虫よけの結界の役割も果たすし、煙も虫を寄せ付けない。
3:「水」
無人島は海に囲まれているが、島の何処かに川があるかも知れない。なければ自力で水を確保しなければならない。
間違っても海水だけは飲まないように!万が一飲んでしまったら強烈な乾きに襲われるし、
ヘタをすると腎臓がやられる。
ビニールシート
もし漂着物にビニールシートがあれば下図のような方法で水を確保出来る。
図A
他に大きな穴を掘ってその穴に葉を敷き詰める。
その穴をシートで覆う形にして、シートの中心に野球ボールほどの大きさの石を乗せる。
沈んだ底のシートの裏側に水蒸気による水滴がしたたり落ちてくる、それをペットボトルなどで受け止める。
という方法もある。つまり図Aの裏側を利用する形だ、雨がなかなか降らない時に試すと良い。
シャツ(布)
図B(3段濾過)
Tシャツなどを利用し濾過装置を作る。
1段目の一番上は粗めの砂利
↓
2段目は目のこまめな砂
↓
3段目はたき火で出来た炭
これでかなり浄化されるが、これを更に煮沸する。
飲み水にはとにかく神経質すぎるくらいが丁度良い。下痢をしてしまったら本末転倒だ。
植物
(蔓)
蔓植物はどこでも見かける植物だ、蔓は毛細管によって水を先端へと運ぶ。
先端と途中を切って内部の水分がしたたり落ちてくるところを飲む。苦かったり粘っこかったり色が着いていたりしたら吐き出すこと。
(竹)
竹が生息していたら竹の節で区切られた部屋に水分がたまっていることがある。
そのまま途中を切って持ち運べたら立派な水筒になる。
(ヤシ)
椰子の木があれば、ココナッツの実は美味しいし栄養もある素晴らしい水分補給となる。
ただし熟しすぎたものは下剤の働きもあるので、下痢の原因になる。
(ウツボカグラ)
食虫植物は水がたまっていることがあるが煮沸すれば飲める。
<文明の利器一口メモ> ※「汚水を簡単に飲み水に変える防災アイテムSAWYERミニSP128 特殊フィルターが病原菌や微生物を除去してくれる」こういう物を災害対策として常備しておくと断水しても心強い。
|
4:「食料」
ジャングルや山林には実は食料が結構豊富にある、根、葉、茎、木の実など手軽に手に入る物から取るようにしよう。
だが食べられるのかどうかの判断を誤ると、後が苦しいことになる。
まず絶対に手を出してはいけないのがキノコ類だ、プロの目でも毒キノコの選別でミスを犯す時があるほどだ。
大体の果実は高いところに成るが熟して落ちていたりすることもある。
さらに低い位置に成る木の実もあるので、よく観察することだ。
また、動物たちが何を食べているのかよく観察していれば大体大丈夫な物が分かってくる。
<安全テスト>
皮膚の弱い部分にその木の実などの汁をすりつけパッチテストをし少しだけ舌に付け5分様子を見る。
↓
クリアしたら、今度は汁だけ少し飲んで実は捨て8時間様子を見る。
↓
その間他のものは一切食べたり飲んだりしてはいけない、因果関係が分からなくなるからだ。
↓
そして今度は多めに実を食べてみて、5時間様子を見て大丈夫なら食用になる。
(芋類)
デカい葉が成っていたら根を掘り起こしてみよう。ヤムイモなどがあるかもしれない。
(ヤシやバナナ類)
ヤシなどは成熟度に関係無く食べられる。
バナナやプランテンなどは果実はもちろんのこと芽、若芽、茎や幹の中心部は食べられる。
ヤシの実の繊維は石で潰し細かくできたり火口(ほくちと読む、種火となる材料の元)にはもってこいの材料なので濡らさないように取っておく。
(トウ)
先端のほうの皮をむき茹でるか焼けば食べられる。丈夫な素材であるため、様々な用途に利用されている。細く切ったものを編んで家具や籠などにも使われる。
(出典:Wikipedia)
(ベリー類)
ベリーは大抵のものは食べられる、栄養価も高く見つけられたらラッキーだ。
(虫)
ヤシなどの腐った幹の中に生息している白い幼虫は生で食べても良いし火を通しても良い。
栄養価は高く消化もよい、釣りの時の餌用に取っておくと役に立つ。
(シロアリ)
比率で言えば牛肉より、遙かにタンパク質と脂質に富んでいる、生でも食べられるが出来れば煮たり焼いたりして調理して欲しい、シロアリがどれほど美味しいか分かるはずだ。
5:「筏」
これはその場所の状況次第ということになる。竹が生息していれば、筏にもっとも適した材料となる。ペットボトルなど、浮く物だったら全て利用する。
他にバナナの木、バルサ、葦など浮く材料であれば何でも利用する。
島の隅々まで探索し、使えそうな物は全て回収し利用しよう。
島に漂着する物は「浮く」から、辿り着いたのだ。
図C
島を脱出しどのくらい漂流するかは神のみぞ知る。
数日ですむのか数ヶ月漂うことになるのかは運次第だ。荒波に揉まれても壊れないように2段重ねで頑丈に作ることは言うまでもない。
蔓やツタなどを使って丸太を組んでいく時は、基本的にもやい結び(ノット)を基本に組むと良いだろう。
もやい結び
図D
ノットは身体で覚えるものなので、数回実際にやってみておくといい。
<もやい結びは万能>
ツタなどで物を括ったり、弓の弦を張ったりあらゆる事に、もやい結びは役に立つ。
ぜひ体に染みこませておこう。
まとめ
舟の難破や飛行機の不時着などのアクシデントはめったに起こるものではない。
無人島であなたが実際に漂着する可能性はほぼないかも知れない、では何のためにサバイバル術を身につけるのか?
では逆に質問しよう、柔道家や空手家は護身レベルを遙かに超えた殺傷能力を必要以上に磨き上げるのはなぜだろう?
その能力で人を殺める事は簡単だがそんなことはもちろんしない、自分を磨き上げ強い精神を育てる為のように思える。
強さは自信に、自信はゆとりに、ゆとりからは他人を思いやる優しさが生まれる。
私たちの住む現代文明は便利さを究極まで追求しているが、逆にますます弱くなっているのではないだろうか?
- ITやコンピュータは益々便利に進化し効率化しているが、なぜ残業や過労死は減らないのだろ?
- SNSは人との繋がりを簡単に広げたが、逆に窮屈に感じるのはなぜだろう?
自らこの世とおさらばする人は日本では年間3万人弱と言われているが、実際は遺書などを書いていない変死を含めると15万人以上だそうだ。
他国と比べると10倍になる・・・。
- 便利で何不自由のない環境で生きている者が、死に方と死に場所をさがす。
- 逆に究極の不便さでサバイバルをしている者は、生き方と希望をさがす。
まさに対極だ。
この世に生まれてきたのは、死んでリタイアするためではなく精一杯生き抜いて喜びを感じる為だと思うのは私だけだろうか?
<おまけ動画とおすすめ本>
<無人島で20年間独りで暮らすお爺さん>
最後に沖縄の無人島で20年間独りで暮らすお爺さんがいる、もし興味があれば彼の生活ぶりを見て欲しい。
(出典:YouTube VICE Japan)
とてもじゃないが、私なら孤独と寂しさに押しつぶされるだろう。
<おすすめ本>
私は8年ほど前に初めて「洞窟おじさん」を読んだ時、衝撃を受けた。
加村一馬さんは、誰からもサバイバル術を習うわけでもなく家出をしてから、たった一人で43年間も山奥で生き抜いてきた正真正銘のサバイバルのプロだ。
教師は大自然だ、動物たちが食べるものなら自分も食べられるだろうとか、強風で木と木が擦れ合ってるのを見ていたら煙が出始めたのを見て火のおこし方に気が付いたりと、ガチで生き抜いた重みがある。
加村さんから学ぶべきことは膨大にあるはずだ。
ぜひ、サバイバル教室でも開いてくれないかと思っているのだが・・・。