ベア・グリルスのサバイバルDVD「 MAN VS WILD」シーズン2のレビューも今回が最後だ。
DVDでは「インドネシアの無人島でのサバイバルの後編」となってはいるが、前回の場所とは全く違う完全な孤島(無人島)なので、続きで見る必用は全くない。
スマトラ島の西へとヘリは移動する。荒波と戦い、海底で食料を調達するしかない、そして「真水」はゼロに等しい場所である。
まさに「究極のサバイバル」である。
スマトラ島の西・・一帯は環太平洋火山帯と呼ばれる世界屈指の火山帯である。
2004年、この海域で観測史上最大規模の地震が発生し、海底の隆起は5メートルに達したとも言われる。さて・・「無人島でのベアのサバイバル~後編」続きを見て行こう!
<【無人島サバイバル】脱出するために抑えておくべき5つのポイント>
Contents
無人島でサバイバル!筏で脱出編ベア・グリルスMAN VS WILD DVDレビュー
震源地に近い「バニャック諸島」=今回のベアが挑む無人島である。
ベアの向かう「バニャック諸島」とは?
地震で消えた島も、新たに現れた島もある。今回はその中の『小さな無人島』でのサバイバルである。
ここでは的確な状況判断が求められ、ミスは『死』を意味する。高度2700mから、ベアは降下を試みる!特殊部隊で使用する自由落下である。
時速200キロ、着水前にパラシュートを分離する危険な降下術である。目標物はなく、距離を測る術はない!
危険なのは『早すぎるパラシュートの分離と、着水時の海面の固さ=コンクリート並み』さて・・ベアは成功するだろうか?!
少し体を打ったベアさん。
荒れ狂う海の中で、まずパラシュートを外すベア!海流に流されそうだが、なんとか目的の『島』の岸を目指す。
荒波との格闘の末、海流は陸地にぶつかり、勢いを増しサンゴ礁に「離岸流」が発生している。この流れは容易に人間を呑み込むのである!
毎年アメリカでは、数百人が離岸流で『命』を落としている。
「寄せ波の音が聞こえますね。島の周囲に砕け波があるはずです。前方で波が砕けています。白波が見えますか?」
「押し寄せた波が戻る=離岸流こそが危険なんです。人間の力では逆らえない、数秒で沖へ引き戻されます!」波と格闘するベアだ。
波に翻弄されながらも、岸に近づくベアさんだった。島は鋭いサンゴ礁に囲まれ、激流すれば、体を切り裂かれる!
上陸したベアだが『挑戦』は始まったばかり
「なんとか島に到着しました・・」とヘロヘロ状態のベアだ。さて最初の試練とは?
浜辺は「あらゆるものの宝庫」
ベアの最初の試練は・・「日焼け」であった。
照り付ける太陽・赤道に近い程、この島は気温も高く、空の雲でさえ『紫外線』を防いではくれない。
つまり一日・12時間=強い太陽にさらされる事になる。たった15分で日焼けが始まり、更に『熱中症』になれば、命の危険さえあるのだ。白人のベアの皮膚は、すでに「真っ赤」である。
この強い日差しに対処する為、浜辺で漂着物を探すベア。
「浜には常にゴミが、漂着しています。年月がたったプラスチックを特に見つける事ができます」と、ベアさんはナイフで「ペットボトル」をナイフで細工している。
『サバイバルの極意は工夫と順応です!』このペットボトルでゴーグルを作れば水の中を覗いて、食糧などを探せるはずです」とペットボトルを持ち、海に向かうベアさん。
早速、ペットボトル使用する。海の中の『自然の薬品』を探すらしい。
「クサビライシの一種がいましたー!(ベアさんとっても嬉しそう~(笑))これはスゴイ生き物です!」
(うむ~・・単なる大きな貝にしか見えないが・・汗)
「太陽の強い南国では、特に助けになるんです!その自然の力をお見せします!」
さてベアさんが魅せてくれたものとは?・・
「水が出てきました!これが数秒で『粘膜』に変わります。この粘膜が『日焼け止め』の役割を果すんです。」
「引き潮の時には粘液を、分泌し太陽から身を守るのです。」
「研究ではSPF50程度の効果があるそうです!」と真っ赤になった肩にヌリィ~ヌリィ~するベアさんだ(笑)。
「粘液を採っても、クサビライシは傷つきません。また後で力を借ります」と優しいベアさんは『クサビライシ』を海に戻した。
過酷さ増す無人島サバイバル
「この島では、最低限の食料を得るのにも、大きな苦労を伴います。島の中でと分け入り、サバイバルに役立つ物を探します」・・今回のベアさんは、素足である。靴を履いていない状態だ。
暑さに加え、耐えがたい湿度、浜辺では強い太陽が照り付け、島の内部は・・湿度が充満!
湿度90%。体に異常をきたす。体は乾燥はしないが、汗の蒸発が遅い為『熱中症』を起す。失った水分を補う為、飲み水を探すベアさん。
「島のほとんどがサンゴです」ベアさんは地面を掘り起こして見せる。(素足だから痛いだろう~なぁ~。ベアさん(汗))
雨が降っても、すぐ浸透してしまう。海抜もわずか60㎝程・・
ベアさん「これでは地面を掘っても海水しかでてきません。」
真水があるとすれば、樹林の空洞の中や、植物の葉に残る雨水だけである。
大きな葉の中にある水を・・「これは雨水でしょう」と飲むベアさん(苦笑)。
この地では『一日に10リットルは必要』である。『脱水症』になる可能性が高まる!体の水分を25%失えば、体の機能は25%低下し、ますますサバイバルは過酷さを増す!
石や葉の少ない雨水を、チビチビすするベア。まさに「シーズン2」の集大成である!
ベア十八番「これは食べられます?!」
島の内部に食料はなく、他に探す場所もない。
「ヤドカリがいました。殻は、体の一部ではなく、巻貝の貝殻です。これは食べられます」
ヤドカリの殻に入る前に捕まえるのがコツ!ベアさん「サザエ」の様に強引に、殻からヤドカリ引っ張りだすベアさん、ヤドカリのはさみに指を挟まれ(笑)
「痛いよ!離せよ。(目の色が違うぞ!ベア(笑)。グイぃ~~ンと貝殻から、ヤドカリを引っ張りだし)これが内臓です!大きなハサミです。これを食べます」
体を出している隙を狙う。
う~ん!慣れた素早く鮮やかな手つきだ。ハサミをバキッ!バキッ!折っていく(笑)。
「ハサミを怖がってはダメです!十分集まりました。バーべーキューにしましょう!」
目がキラキラ光るベアだった(笑)。
「細菌がいるので、生食いには適しません。無人島で食あたりになれば、『死』の危険さえあるのです」・・更に食料探しを続けるベア。
「浜辺にも『食料』はありますが、大物を捕まえるなら海です!」やる気満々のベアさん!モリを作る為、木の枝を鋭利に研ぐベア。
素潜りで、海底の獲物を探す
「サンゴ礁は食料が豊富なはずです。まず簡単な獲物から狙いましょう」と・・『ナマコ』をゲットしたベア(笑)・・簡単すぎねぇ~ベアさん汗。
『ナマコ』とは、30本近い触手で微生物を集め、砕いてから排泄する生き物で、生態系に重要な役割を持っている。
「まるで黒くて巨大なソーセージです」ナマコをナイフで半分に裂くベアさん。
タンパク質が豊富な理想的なサバイバル食である。「ガリッ!」ナマコを生食いするベアだが、ナマコが食いちぎれず、苦労するベア(笑)。
「アぁ――――!!ブ――――!!ペッペ」
「しょっぱくって、ゴムの様なとてもヒドイ味です。もう少しまともな食料を探しましょう」ベアさん・『まとも』ってどんな基準?!
再び海中へ潜る。深く潜る為に、体を慣らす。練習を重ねれば、潜水時間は伸びていく。ベア=2分の潜水可能になる。
「キツイです。素潜りのコツは少しづつ体を慣らし、肺の限界を高める事です。」
「決して焦る事なく、深呼吸し血液に酸素を送ります。すると水中に長く潜れます。しかしこの『呼吸法』は低酸素症を引き起こすんです」
〇『低酸素症』の怖さ |
毎年、アメリカで4000人が命を落とす。 酸欠状態の肺が、血中の酸素を使い果し、気づかぬうちに、意識を失いやがて『死』に至る。 |
「次が本番です!」砂に隠れた魚を見つけた。『アカエイ』だ・・
「アカエイ」とは危険な魚、尾に毒を持っている。一撃で仕留められるか?!ベア?
無人島で食料確保に必死!
スマトラ島沖で、食糧確保に奮闘するベア。
獲物は『アカエイ』・・獰猛な性格で、強い顎を持ち、尾には毒がある。
不用意に近づけば攻撃される。ベアはエイが潜む砂の隆起を発見!ベア自身限界に近いが、狙った獲物は逃さない(笑)。
「やりました――!見て下さい。キレイな魚ですが、とても危険です。尾に毒があるんです。しかし食べられます!」・・今度は大丈夫なのか?!ベアさん・・日没前に今度は「シェルター作り」にかかるのだった。
シェルター作り
シェルターに適した場所
赤道付近では、急激に暗くなるため急いで、野営地を探す必要がある。
「シェルターを作るなら、島の突端が最適でしょう。海も見渡せるし、船が通れば気づくはずです。」
「海風がサシチョウバエを追い出し、木の下なら日差しも和らぐでしょう。流木を集めましょう。」
「船の往来が少ない為救出の望みは薄いですが、釣り船が通る事もあります」
〇シェルター作り=A字型シェルター(台風にも耐えられる)
<シェルター作りのコツ>
- 皮膚リーシュマニア症を媒介するサシチョウバエを避ける為に、地面から離す。
- 太い枝をハンマーにし、ナイフで木を倒す。小枝も落としていく。
- ヤシの葉は屋根に利用する為、半分に裂く(十分な大きさだと、雨水を集めてくれる役割を果す)
- 紐=イチジクの木に垂れ下がっている。
「見て下さい!スゴイ!巨大に成長したイチジクの木です。数百本のツルが伸び、垂れ下がっています。理想的な紐です」=ツルは柔軟で強度があり、トロピカル・ストームにも耐えられる。
インドネシアには2000種以上のツタが自生している。
〇A字型シェルターの作り方
「最初の枠ができました!」ベアが去ろうとすると、枠が「ソっ――と」倒れてきた(笑)。もう一度、刺し直すベアさんだった(笑)
2本目の枠に「棟木」を渡す。体重をかければ枠が締り、強度が増す。
長さは身長に合わせる。
ベッドの支柱をしっかり固定する。ツルを編み込みベッドの完成。ヤシの葉を敷き詰める。
〇A字型シェルターの屋根
- ヤシの葉先を持って半分に切り裂く。
「この屋根の真価はトロピカル・ストームの時に発揮されます。一時間に25ミリの雨が降りますが、水を集めるチャンスなのです」とベアさん。
- 竹を半分に割る=雨どいの代用。屋根の下に置いて、雨水を集める為である。・・ここまでの作業に二時間費やした。
ベア・クッキング「シーフード尽くし」
さて・・そろそろ「ベア・クッキング」の時間。
①焚き木集め
火口にはココヤシの繊維
食料や水・火口・煙は虫除けと様々な用途に利用できる「ありがたい木」である。
〇ベア・クッキング=シーフード焼き
材料)アカエイのひれ
作り方)ひれを串刺しにし、火にかける。
材料)ヤドカリの爪
作り方)爪を炭の中に入れる。
「今日の夕食はシーフード尽くしですね!」
「ヤドカリの爪は焼けたかなぁ?ん~~美味しいです。マヨネーズが欲しいですね!」
ヤドカリ料理は、上々の出来だったようだ。
「しかし、少量を細目に採る事が大事です。食べ物の消化に多くの水分を使えば脱水症になります」とムシャ・ムシャ食べるベアさん(笑)。
さて気になる「エイのひれ」は・・
「食べにくいです。魚は好物ですが、期待外れの味です!これは頂けません」まぁ~そ~ゆ事もあるさ!ベアさん(苦笑)
決断の時?!さいごに
眠れぬ夜が明けた・・
「知恵を尽くしてのサバイバルが続きますが、今朝はついています!トロピカル・ストームです!物凄い勢いです。」
「屋根の下の竹が、瞬く間に雨水で満たされて行きます!僕にとっては『恵みの雨』です!」
(大興奮状態のベアさん(笑))こういう機会になるべく多くの水を飲み、体内に蓄えるのです。」
「ついでに体も洗いましょう!気持ちいいです!体の塩が流されていきます。塩は「ただれ・擦り傷」の原因になるんです。」
「ワオ――!まさに天国です!」
トロピカル・ストームの中、エクササイズをするベアさん(笑)。木で懸垂を始める。
暑さと湿気が戻る前にエンドルフィンを分泌させ、心身共にリラックスさせる効果があるらしい。
「しかし、雨水だけでは長期間の生存は不可能です。海水を飲めば『肝不全』を起すでしょう」・・
知っておいて欲しい!
『サバイバルの限界は、食糧なしで3週間・水なしでは3日』と言われている。
ベアの「決断の時」が迫っていた!
- 島に残り『死』を待つか?!
- 脱出方法を考えるか?!
とりあえず「朝食」を採る事にしたベア。
海に潜り「ウニ」をゲットしたベアさんだった。
「見て下さい!この毒毒しい外見!大きなトゲですね。踏みつけたら大変です。」
「海水浴やシュノーケル中に謝って踏みつけると、簡単には抜けません。このトゲには更に、細かいトゲがあって刺さると、体内で引っかかるのです。」
「地元の人々はウニのトゲを踏むと、トゲが細かくなるまで、棒で足を叩くそうです!そして体に吸収させます。・・これは食べられます」
〇ベア・クッキング=ウニの生食い
材料)ウニ
- トゲをナイフで落とす
- 真ん中から半分に割る
- 中の砂と内臓を取り除く
- その下の茶色の卵を食べる
「これは『海のキャビア』と呼ばれています!」ベア・・ヨダレがでそうだ(笑)・・ところが?!
「まるで・・赤ん坊のウンチです!これが『キャビア』?!」不満ブーブーのベアさんだ。
「しかし・・エネルギーとタンパク質が豊富なんです・・しかし、水がない。雨水を集めるだけでは、限界があります」
ベアの決断「いかだを作ろう!」
- 島に残り『死』を待つか。
- いかだを作り、島を脱出するか。
無人島の漂着者として、最大の挑戦にベアは「決意」する。
「いかだを作り脱出する」・・と。その前に「腹ごしらえ」のベアさんだ!(笑)
シロアリの巣を発見!
「シロアリの巣です。少し砕いてみます。このまま食べる事ができます!ピリッとしますが、おいしいです」袖に着いたシロアリを、味わうベア。
「パンツやズボンの中に入りこんだら困りますからね・・」とパンパン服を叩くベアさんだった(笑)
いよいよいかだ作り
「素足なので、早くサンゴから解放されたいです!」
<注意点>
- いかだ=強度+柔軟性(大きな竹が理想)
- いかだ作る=海の近くで作る事
- 真っすぐで水に浮かぶ木を選別する
- 竹は最適な材料=柔軟性があり、折れにくい
- ヤシの葉で屋根を作る➡日焼け除け
「普通はツルを利用していかだを作ります。しかしツルはすぐ伸びてしまい、強い波をうけるとちぎれてしまうんです。」
「そこで、今回はそれぞれの『竹』に穴を開けて、そこに横木を刺していくんです。そうすると『強度』があがるのです」
出発前、食糧調達
若いヤシの実➡1ℓの水を含む。数個持参する事。
「ヤシの実は、最高のサバイバル食です!海水に浸しても腐らず、長くもちます。高カロリー・果肉と果汁がたくさん詰まっています。」
「しかし飲み過ぎると、下痢をする危険があり『脱水症』になりやすいのです」
『危険だが、これがサバイバルである。冒険を侵す価値はある』
脱出
周囲には100近い島があり、別の島に向かう船に遭遇し、救出される可能性もある。
砕け波の間の離岸流にいかだを向ける。四方から波が襲う!いかだがいつまでもつか?!不安を隠せない・・流木のパドルで舵をとる。上手く波間を抜けたベア号!
「いつまで漂流するのでしょうか?」とベア。
「耐えがたい孤独感です。体力を温存し、集中力を保ちます。日が暮れ始めたので、何とか別の島へ辿り着きたいです」・・と!?
砕け波に撃たれた『いかだ』が沈みかける!「漕ぎながら補修します」と必死なベア。
そこに「エンジン音」が!・・救出されるベアさん。・・シーズン2の集大成としては最後は少し、お粗末だった気がする。
さいごに
「ベア・グリルスシーズン2」の最後にしては、最後は少し・・演出している雰囲気満々だったのが残念だった。
しかし「サバイバルの基準」がよく理解できた作品にはなっている。
「ベア・クッキング」を毎回、楽しみにしている自分としては、「食料がない」という企画は、消化不良であった。
<【無人島サバイバル】脱出するために抑えておくべき5つのポイント>