万が一テロに巻き込まれ、周囲に心肺停止に陥った人が出たとき、
あなたならどうしますか?
今では海外旅行に行く人は年間何万人といます、私だけは
そんなテロなんかに合わない、と言い切れるでしょうか?
こうしてる今でも世界の何処かで、規模の大きさは違えど
犠牲者は出ているのです。
決して対岸の火事ではないと言うことを、知る者が生き延びる
権利とそして人を助ける知恵を手に入れられます。
では、今回は代表的なテロ行為である、「爆破テロ」を
例にとって考えてみましょう。
爆弾による殺傷はもちろんのこと、飛んできた破片による怪我で出血したり、
あわてて逃げようとして転んで捻挫をしたりするかもしれません。
しかし、こういった緊急時に最も優先して処置すべき状況は、
直接的に命にかかわる「心肺停止」です。
医師や救命救急士が見つからず、さらに処置に必要な道具もない中で、
あなたは何をすべきなのでしょうか?
この記事では、「一次救命処置(BLS)」の手順について詳しく解説します。
これを読んでおけば、将来あなたが誰かの命を救うことになるかもしれません。
Contents
緊急時の一次救命処置(BLS)とは?
一次救命処置(BLS)は心肺停止に陥った人に対する緊急の救命処置をいいます。
その中にはAEDの使用も含みますが、今回はそういった道具がない場合に
どうすべきか、ということを解説します。
心肺蘇生の手順
心肺蘇生の手順は、
- 「反応の確認」
- 「応援を求める」
- 「呼吸の確認」
- 「胸骨圧迫」
の4つの手順を必要とします。
1:反応の確認
人が倒れていたらまずしなければならないこと、それは「反応があるかどうか」です。
肩を軽くたたき、「大丈夫ですか?」と大きくはっきりと声をかけましょう。
反応があれば救急車を呼ぶ程度で済みますが、なかった場合は次の手順に進みます。
2:応援を求める
呼びかけても反応がない場合、すぐに周囲の人に応援を求めます。
AEDが手に入らない環境だと、少なくとも119番通報する人と胸骨圧迫を行う人の2人が必要です。
このとき、最も大切なのは「一人で全部やろうとしないこと」です。
一人では精神的な負担も大きく、何より処置に時間がかかるため傷病者の命にもかかわります。
3:呼吸の確認
呼吸の確認は「目視」のみによっておこないます。
これは確認作業をより素早く終わらせるためです。
普段通りの呼吸が確認できれば回復体位(横向き)にして救急車の到着を待ちます。
7~10秒以内に呼吸が確認できなければすぐに胸部圧迫を行いましょう。
この「7~10秒」というのは上限の目安ですが、可能ならこれよりも短い間に確認を終わらせるのが理想です。
4:胸骨圧迫
いわゆる「心臓マッサージ」です。
傷病者の胸の真ん中付近に両手を重ねて置き、約5cm沈むように、
1分間に120回程度のペースで圧迫を続けます。
数字で言っても分かりにくいので、音楽のリズムを使えばやりやすくなります。
「NHKためしてガッテン」でも紹介していましたが、プリンセスプリンセスの『ダイアモンド』
のリズムが一番合うそうです。
心臓マッサージの目的は心臓を蘇生させるのではなく、脳に血流を送り続けるというのが
本来の正しい目的ですから、しっかり圧迫した後は、しっかり引く事で心臓内に血液が
しっかり流れてきます。
押すことだけに夢中になっていては、しっかりと血液を送り出すことができません。
『ダイアモンド』のリズムには”裏打ち”があり、その裏打ちが引くタイミングとなるわけです。
頭の中で別に歌詞まで歌わなくて良いので、リズムだけ流しながら心臓マッサージを
しましょう。
意外に体力も半減できます。しかし、救急車が到着するまで時間が掛かる場合は
数分続けるだけでも疲労がたまってきますから、可能であれば
2~3分ごとに周囲の人に交代してもらうことも考えます。
肘を伸ばし、上半身の重さを利用して圧迫すると
疲労も少なくスムーズに行えます。
また、約5cmは「単3電池1本分」の長さに近いので、
それを目安にするとわかりやすいでしょう。
このとき、可能ならば人工呼吸も並行して行うのが理想ですが、
現在は無理にする必要はありません。
あくまでも脳内に血液をしっかり送るということが目的です。
胸骨圧迫をきちんと続けるだけでも傷病者の生存率は十分高めることができます。
関わる勇気が出ない人へ
ちなみに「BLSの手順がわからない」場合でも、進んで119番に連絡するようにしましょう。
訓練を受けていない救助者に対して、電話口で
- 「傷病者の何を確認すべきか」
- 「救助者はどう行動すべきか」
といったことを詳しく教えてくれますから、心配はいりません。
最後に―そもそも、なぜ「BLS」を行うのか
人間は心臓を使って全身に酸素を送っていますが、同時に酸素がなければ生きてはいけません。
しかし人間の脳は酸素を蓄える仕組みをもっておらず、心臓が止まってしまうと
あっという間に酸欠になり、その機能に障害があらわれます。
それを防ぐために「BLS」が必要なのです。
さらに言えば、心臓が止まった人の死亡率は
3分後には⇒50%、
7分後には⇒90%
以上にものぼります。
それはこう言いかえることもできます。
迅速にBLSを行えば、その人の命を救えるかもしれない、と。
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